わしろぐ

薄明かりを集めて世界を変えたい

ココのこと

10月15日の14時46 分に、うちの長い方のいぬ、ココが6歳半の若さで旅立った。今日で一ヶ月を迎えた。

死の原因となった病気は、子宮蓄膿症という、子宮に膿みがたまってしまう病気で、子を産まないメスが避妊手術をしていないとなりやすい病気だ。

死の前日、急激に具合が悪くなり、前日まで元気だったココが小さく唸りながら息をしていた。救急病院へ連れて行ったら、子宮が膨張しており、子宮蓄膿症の疑いがあるが、血糖値が下がっているので点滴で循環を良くするため一晩入院させてもらい、翌日縁のある別の病院で手術をしてもらうことになったが、手術の麻酔の時点で呼吸が止まってしまい、ココはそのまま帰ってこなかった。

なぜ麻酔で呼吸が止まってしまったのか。もともと生まれつき心臓に疾患がある子で、心臓がかなり肥大しており、その影響で肺が弱っていたとか、子宮蓄膿症の毒が既に肺に回っており弱っていたのとか、色々原因は考えられるのだが、確実なのは一つ、もうどんなに悔やんでも、あの時こうすれば良かったとか思っても、誰を責めても、ココは帰ってこないということだった。手術に当たって下さった先生方は、ココにとっても縁のある先生方で、その先生方が総力を結してココを助けようとして下さったことに、大変感謝している。それと同時に、自分の無知さ、ずっと近くにいながらココの苦しみに気づいてあげられなかった事を日々後悔してやまない。

産ませる予定のないメスの子は、早めに避妊手術をしてあげて下さい。

ココの突然の旅立ちから一ヶ月経って、あの子の生きた証を何かしらネットに残したいと思い、これを公開することにした。

ココは、2007年の6月15日生まれ、6才半のカニンヘンダックス、女の子だ。出身地はわからないが、最初は香川のペットショップに居たそうだ。

色は珍しいシルバーダップル。グレーと黒と白が入り混じったマダラもようで、きれいな藍色の目をしている。カニンヘンの中でもとりわけ小さく、2.6キロくらいしかない。一緒にいるチワワのカラより小さい。いつもこいぬと間違えられる。

ダブルダップル、もしくはダブルマールといって、ダックスのまだら模様同士を交配すると高確率で遺伝による異常がでることはよく知られている。ココはダブルダップルの子だった。その影響で、生まれつき耳が聞こえない。そしてPDA動脈管開存症)という重い心臓の疾患を生まれつき抱えており、本来なら3歳くらいまでしか生きられない体だった。この疾患のせいで、生後二週間でココはペットショップに返品されてきてしまったそうだ。

縁あって、うちの弟が勤める動物病院に預けられることになった。病院のみなさんにもかわいがられていたそうだ。その後弟が引き取ることになった。病院のケージの中にいる小さなココに、弟は頻繁に会いにいったそうだが、そうしているうちに、弟が立ち去る時にココがキャンキャン泣くようになった。その時、やっと飼い主として認めてくれたんだなあと思ったそうだ。

1才半で心臓の手術をしてもらい、その後元気に弟の家で暮らすことになった。ココロという名前をつけられ、ココと呼ばれるようになった。半年くらいは、弟が首から下げたバッグの中に入って、上からジャンパーを着ると襟元から首だけ出して、その状態でバイクで職場まで一緒に通っていたそうだ。当時病院には色んな先生が連れてきているペットがいる部屋があり、他の先生達のいぬにもかわいがられていた。今回手術をして下さったのは、その、ココの命を最初に助けて下さった病院の先生方である。

ココが2歳になるまで、私はココに会ったことがなかったが、その後縁あって引き取ることになった。4年間一緒に暮らした。いぬたちのお陰でしあわせな4年間だった。同居犬のチワワのカラは、初めて会った頃はまだこいぬだった。

ココは、耳が聞こえないのもあり、躾が大変で、なかなかワガママな時があった。何か面白くないことがあると、キャンキャンと甲高い声で吠え続ける。人間の子供みたいに地団駄も踏む。仕事はちょうど佳境になったところを見計らって邪魔をするし、人の食べ物も油断するとかっさらってしまう。あと人にマウンティングをしたり、人の服を噛んでボロボロにしてしまう。私の服は大体ココに噛まれてしまった。どうしょうもない興奮状態の時は繰り返し裏返してあげると疲れて落ち着くようになる。ワガママないぬだ。しかしなんだろう、手のかかる子ほどかわいいというのは本当だ。

一方で人がとっても大好きで、誰にでも愛想良く寄って行き、膝に乗り、うっとりとした顔で顔をなめ、撫でて撫でて、と鼻で合図する。人懐こいいぬだ。割とだれでもいいみたいだ。人が大好きだ。

いぬも大好きなのだが、吠えながら突進するような変な好意の表現ばかりするので、他のいぬにはきらわれてしまうことが多かった。いぬ付き合いが下手くそないぬだ。

外が好きだけど、歩くのはあまり好きじゃないみたいで、連れて行くと途中で歩くのをやめて歩行拒否することが多かった。だっこしてもらえると覚えたからみたいだ。だっこが大好きないぬだ。

ベランダに出すと、じっと外を眺めていたし、車も大好きで、車に乗せるとまたずっと外を興味深そうに見ていた。空中を動くものも好きだ。ラジコンヘリを飛ばした時も、あれなに!あれちょうだい!とずっとなきつづけていた。耳が聞こえないのに、音が鳴るものも気になるみたい。好奇心旺盛ないぬだ。

耳が聞こえないのもあり、地震が来た時でも、同居犬のカラはすぐに敏感に避難する一方で、ココは呑気で、ちょっと揺らさないでよ、みたいな顔して人を見る。私が帰って来た時も、寝たままで、カラが起こしにいくと、はっと起きてボーッとしたのち、事態を把握して、助走を付けておもいっきり跳ねて何度も飛びついて、うっとりした顔で、ペロペロなめながら甘えてくる。耳が聞こえないと、鼻とか他の器官が敏感になりそうだけど、ココはとりわけそんな感じでもなく、まさにかわいさだけで生き延びているような感じがする。マイペースないぬだ。

夏の間は冷たい床が好きで、よくひんやりしたところに寝っ転がって、うっとりとした顔をしていた。冬はストーブやヒーターに体をギリギリまでくっつけてうっとりしていた。すぐうっとりとした顔をする、うっとりいぬだ。寝てる時が一番かわいい。天使のようだ。

手足が短く段差が苦手で、洗濯カゴなどに自分で入って、出れなくなってしまい、悲しそうに泣いてることがよくあった。うっかりいぬだ。

いつも必ずペロッとベロが出ていた。チャームポイントだ。ちょっとアホっぽいけどとてもかわいい。ベロをしまっているのは多分3回くらいしか見たことがない。容態が悪くなった日はベロをしまっていた。辛かったのだろうな。

人が寝ている時は、腕の上に頭を乗せて、まるで人の腕枕のようにしていつも寝る。人のマクラに頭を置いて、自ら布団や毛布をかぶって寝てる時もたびたびあって、自分のことを人だと思っていたのかもしれない。

同居犬のチワワ(カラ)とは大の仲良しだ。24時間片時も離れたことがなかった。散歩で少し離れたところを歩くだけで、カラはココを探して泣いた。カラの方がココを大好きだったみたいだ。少しココが無言の帰宅をした日、カラはずっと落ち着かず夜も眠れなかった。不思議とココのなきがらにはあまり興味を示さなかった。カラはしっかり者なので、今は1人の留守番にも少し慣れ、私が悲しんでいるといつもなぐさめにきてくれるが、やはり以前より元気がなく、すみっこでまるまっている事が多くなってしまった。カラごめんな。

ココは、幸せだったかなあとそればかり考える。もっとかわいがりたかったな。もっともっと長く一緒に生きたかった。倍くらいは一緒にいれると思ってた。ずっと一緒にいたかった。もっと写真をいっぱいとっておけばよかった。動画もたくさん撮っておけばよかった。もっとたくさんお散歩行けばよかった。もっと旅行にもたくさん連れて行きたかった。もっとたくさんの人やいぬにあわせたかった。ごめんな。何をしてもココがいればなあって思う。ココの記憶だけが上書きされないまま、時間は無情に経っていく。受け止めなければだ。

本当にありがとう。生まれてきてくれて、ありがとう。私達のところにきてくれて、ありがとう。幸せいっぱい、かわいいのいっぱい、愛情いっぱい、ありがとう。ココ大好きだ。

ココをかわいがって下さった方、ありがとう。