わしろぐ

薄明かりを集めて世界を変えたい

ミズイラズ

頭蓋骨に穴を開ける手術を経て何事もなさそうに無事退院した父が、誕生祝いにごちそうしてくれるというので、弟と3人で家族水入らずランチしてきた。色々うまいものが食べられ、日本酒を飲み昼から酔っぱらった。うまいもの、よい。

久しぶりに家族水入らずで集まったが、父のこういう誘いは大体すごい急に来る。これから30分後にそっち行くとか結構ある。今回も急なごちそうだった。

うちの家族は割と仲良くてお互いよく話をするのだけど、あんまりお互いの近況について話したりせず、科学・技術の話や政治・経済の話や哲学っぽい話とか、自分の足元から少し離れたとりとめのない話ばかりいつもしてて、そういうのでいつも盛り上がってることが多い。そういう話が全員好きなのもあるし、多分お互いの近況について興味がないわけではないんだが、お互いに何となく、相手から言うまで突っ込んで聞かないようにしている感じがあって、そういうのちょっと面白い。何なんだろうなアレ、なんか昔からそう。不思議と別にそういうのに嫌な感じはなくて、割とあの適度な距離感は落ち着くので好きなのだけど、そんな感じなので、父は割と今もって謎が多い。

家の荷物を片付けている時とか、たまに父の謎のポエムを発見することがあり、こっそり読んでいる。父ポエム、たまに興味深い事が書いてある。父ポエムによると、人間は過去から未来へと後ろ向きに歩きながら進んでいるようなものらしい。だから過去はよく見えるけど未来は見えない。耳の後ろあたりで現在を感じているそうだ。なるほどシチュエーションはなんかわかるし、なるほど、なるほどという感じがする。何でそれ、どういうきっかけで、思いついちゃったんだろうね。そもそも父のオリジナルなんだろうか。気になるところだけど、秘密のポエムを読んでしまった事を言うわけにもいかないので、きっとこれはずっと聞けない案件になりそうだ。