わしろぐ

薄明かりを集めて世界を変えたい

香港の高層マンションや東京の満員電車を撮る写真家がおもろい

Michael Wolfさんという、香港を拠点に活動されているドイツ人の写真家なのだけど、この人の仕事が面白い。

まず香港の変テコ高層マンションコレクション

サムネで見る限りマンションだということに気づかない。パースを排して天地を切って、まるで永遠に続く平面パターンのように切り取られた香港の高層マンション群が圧巻だ。

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東京の満員電車を撮る、その名も「圧縮東京」(Tokyo compression)

香港のマンションネタは写真集も持ってて知ってたんだけど、日本までネタにされてるとは!知らなかったw

確かにねー。外国人の人と日本のことを話すと必ずあれはおかしいって言われる満員電車。やー、あれはおかしいですよ。非人間的ですよ。わしらだって知ってるさ。

またさらに、雨降りで一番不快な圧縮感が出てる時を狙って撮ってるのがにくい。息を殺して乗っている人たちの不意の表情が、ラッピングされた死体のように見えてしまう。グロいようで美しくも見えて不思議な迫力がある。とりあえず被写体には絶対なりたくない!これうっかり撮られちゃった人つらいよなー…

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Fuck you Google street view

最近では、ご自分で写真を撮る他にもこんな活動を。Googleストリートビューであのぽポーズをしたまま映り込んでしまった人たち。

いや、もうホント、よく集めたね!っていうか、集めんなよ!wあとなんかちょっと違うのも混ざってるよ!

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中国のひどい椅子コレクション

これも…よく集めたね!…っていうか、なぜ集めたし!w

いいよね、いいテーマだよね。ひどい椅子てw確かにこれはひどい!座りたくない!

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他にもMichael Wolfさんのポートフォリオサイトから色んなテーマの写真を見ることができます。Projectsのプルダウンから色んなプロジェクトを探せる。どれもおもろいし造形的にもカッコイイ。

少しアーティスティックなデイリーポータルZ(…というか大山顕さん)みたいなノリなのだと思うんだけど、おそらくこの人のライフワークに通底してるのは、徹底したガイジン的な第三者ツッコミ目線なのではないか。

香港の建物にしても東京の満員電車にしても、そしてGoogleストリートビューにしても、そこにいる当事者達は既に慣れたか、あるいは物心ついた時から内面化してるので特に違和感を感じてない。けど、そこに例えば「外国人」という完全な第三者として足を踏み入れた時、 

いやいやいやいやwwww

君らにとってはそれ当たり前かもしれないけど、それおかしいから!面白いから!w

と感じるあの目線、あの外人目線。

アレをうまく作品として、アーティスティック半分、ユーモア半分なところで良い感じに具現化しててすごくかっこいくてくやしいw

海外旅行とかで、普段と全く文化ベースが違う土地に行って、街並みみてるだけでウキウキしちゃう感覚を分解すると、その中の一つはあの目線なのだと思う。個人的にあれを「ガイジン目線」と呼んでる。

圧倒的な異物に対して、適度に距離を保ちつつその違和感ごと愛でてしまう、みたいなスタンスはすごく共感できるし好きだ。その視線だけでいろんなことが一生楽しめる気がする。この対象に入り込まなさ、クールに突き放してみてる感じも結構好きだ。この人日本で写真展やるならすごく行きたい。

あと、まあなんだ、とりあえず海外旅行行きたい!!

 

Hong Kong: Front Door / Back Door

Hong Kong: Front Door / Back Door

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この写真集がおそらくMichael Wolfさんの代表作っぽい。持ってるけどすごくいいですよ。大判サイズの本に見開きでギッシリとあの変態香港マンションたちが…wニヤニヤする。表紙もピンクのタオルケットでかわいいw

タイトルの"Front Door"というのが香港の変てこ高層マンション群の写真、"Back Door"というのがもう一つのこの人の香港ライフワークである、路地裏の変テコなもの(ゴミとか変な椅子とか)の写真を指してるそうで、その2つのテーマの写真を交互に見せる構成なのだけど、パースのないマンション写真のインパクトがやばすぎて、路地裏のヘンテコオブジェコレクションはそれはそれで面白いのだけど、建物に比べるとやや凡庸に感じる。建物だけで一冊にまとめたほうがクールだったんじゃないか?

個人的に、香港に行った時に一番驚いたのは、建物の建て方。香港はここ400年くらい全く地震が来てない(要出典)らしく、それに油断しきっているのか、ものすごいペラッペラな作りの恐ろしく巨大な高層マンションが所狭しと立ち並ぶ。香港に限らず中国圏はそうなんだろうけど、全体的に人命の値段が日本よりも安そうな感じにうひゃぁと軽くショックを受けることがしばしばある。日本は平和だわあ。

しかも建設中の足場は中国伝統の竹素材…えー、お前ら竹のことどんだけ信じてんだよ!あの日本人からするとクレイジーな作りの高層マンションがすごく気になって仕方なくて、一度あのマンション群に潜入したりしてみたいんだけど、(エレベーターとか…あるのか気になるではないですか…)今まで同行者で誰も同意してくれた人いないし、多分一人で行かないとダメだな。そんなわけで次の一人旅先の候補の一つに香港はアリだ。って、あれ何の話してたんだっけ?現実逃避で無駄に長文になってしまった!

他にも、いろいろ写真集出てるっぽいですね。

東京の満員電車

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香港の「コーナーハウス」

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Googleストリートビューでアレ(えっ写真集でてんの!)

Michael Wolf - Fy
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中国のひどい椅子(えっ(ry)

Michael Wolf: Sitting in China
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