わしろぐ

薄明かりを集めて世界を変えたい

小林賢太郎「うるう」を観てきた

天王洲アイルの東京銀河劇場で、小林賢太郎の一人演劇、「うるう」を観てきた。

例によってわしはニワカコバケンファンなのですが、去年の「SPOT」に続いて幸いなことに友達が誘ってくれたのでついて行く。「SPOT」同様コントライブなのかと思って観てみたら、長編の演劇だったという下調べの皆無さだったが、コントと同じくとても楽しめた。なお、ラーメンズのイケメンの方の人が小林賢太郎さんになります。

いつも一つ足りない、いつも一つ余る。

うるう日に生まれ、常に余り物でひとりぼっちな人生を送る「うるう人」と、リア充な少年との友情を描いた、ちょっと切ない童話のようなストーリー。うるう人という設定はどこかで見たなとおもったんですが「SPOT」のショートコントでも出てきてたんですね。すっかり忘れていた。

トランプの数字を全部足すと「364」、それにジョーカー1枚を足すと「365」になる、うるう人は1枚余分に入ってる余り物のジョーカーだ。という数字絡みの仕掛けが、はーうまいこと言うなあと面白かった。こういうアタマ良さ気なパズルっぽい仕掛けを盛り込んでくるところもコバケンさんニクい。

舞台の端っこにずっとチェロの人が居るのだけどこれがちょいちょいいい味を出してた。擬音をチェロで表現するのだけど、うまいんだわこれが。人生一度でいいからチェロをやってみたいと思った。弦楽器の醸すあのうっとり感はいいものですね。

3階席から観てたので結構遠くて、今こそ双眼鏡が必要じゃんと思った。コバケンさんは銀髪のかつらをかぶって演じているので、3階から見るとただのハツラツとしたおじいちゃんに見え、全然イケメンに見えない。劇場から出てきてポスターを観てはじめて、コバケンさんがテライケメンであることを思い出した。1階で観てた人はあのイケメンぷりを目の当たりにしながらあの芝居を堪能できたのだなと思うと少し嫉妬を覚える。

途中出てくる影絵や、フクロウをモチーフにした「うるう」の衣装など、今回もいやんカワイイ的なモチーフが登場するのでそのへんでも心をわしづかまれた。

Twitter検索したら大勢の人が後半で号泣してたらしいがわしは泣かなかったです。割と涙もろい方ですぐ泣いちゃうんですが、これは泣かなかった。たしかにちょっとホロリとくるストーリーなんですが、コバケンさんその泣かせ路線も含めネタでやってるんでしょ的な穿った見方からわしの涙腺はかたくなだった。けど、こういうとこできちんと素直に泣ける人の方が幸せな人生を歩めるんじゃないかという気もする。

そういや今年ってうるう年なんだね。今気づいた。うるうー。うるうー。